平成26年度 臨床研修医アンケート結果

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平成26年度 初期研修医の感想


 

田川市立病院での研修を振り返って

 平成27年4月24日

 

今田悠介研修医 

 初期研修医 今田悠介

 

 現在、大学病院に戻って3週間が経ちました。この文章を書くことが遅くなり、大変申し訳ありません。しかし、書くのが遅くなって良かったと思います。なぜなら、田川市立病院が研修病院として非常に魅力的であったと感じることができ、それを伝えることができるからです。

 田川市立病院は、地理的な問題、地域社会的背景、医療資源的側面から研修病院として敬遠されがちですが、1年間勤務して、何一つ心配することはありませんでした。働いている先生方始め、病院に従事している皆さんから優しく対応して頂き、分からないことは丁寧に教えて頂きました。病院周囲には店もありますから、車があれば不自由なく生活することができました。

 私は、研修1年間のうち、当院で内科、外科、麻酔科、小児科で研修を行い、月に45回の当直業務を行いました。初期研修で大切なことは、それぞれの専門科で通常どのような検査が行われ、病棟にはどのような疾患を抱えた患者さんが入院しているのかをまず知ることです。1-3か月単位の研修では各科の先生方が生涯かけて尽力している専門性を身につけることは到底できません。大切なことは、将来、専門性を持った後に他科疾患について緊急性を判断でき、適切な段階で当該科にコンサルテーションできる判断力を身につけることです。そのためにできることは、指導医の動きや考えを可能な限り把握し、担当した症例を丁寧にしっかり診て、必ず新しい知識を得るように努めることです。

 研修病院である限り、どの病院にもメリットとデメリットがあります。当院のメリットは医師の数が少ないので、良くも悪くも研修医が責任をもって、主体的に診れたことは大変良かったと思いますし、貴重な経験となりました。また、研修医が1人でしたので、自由度が高い研修ができました。途中で診療科を変更したり、診療科の研修期間を直前で修正できたり、他院へ見学に行くこともできました。病理解剖も最初から最後まで参加出来ましたし、学会発表も行うことができ、病院外の勉強会にも費用負担してもらい参加できました。

一方で、当院での研修デメリットをあげると救急専門医がいないことです。研修医の主たる学びと成長の場として救急対応があります。教育本を読んだり、当直医の先生に指導してもらい、最低限度の対応は学ぶことができましたが、指導してもらう先生のやり方により左右されてしまうため、満足いくものではないときもありました。また、勉強会や回診での発表など教育的側面があまりないため、自分でしっかりと勉強する必要があります(これは研修医ならば当然だとは思いますが)。勉強時間は確保できるので問題ありません。以上、簡単ですが感じたことをまとめました。

 1年目を終えて学んだことは、常に目的意識を持つこと、一歩でも前に出る姿勢を保つこと、誰にでも謙虚に丁寧に対応することです。研修医が一人しかいないことは、恵まれない環境では決してなく、あらゆる経験を自分だけが全て享受することができる貴重なチャンスです。他の病院では体験できないと思います。1年間で沢山の手技を経験するチャンスをいただいたことで、2年目に大学病院に戻っても難なく対応できています。

 最後になりましたが、ご指導して頂きました先生方、コメディカルの方々、お世話になった事務の方々、担当させて頂いた全ての患者さんに感謝いたします。1年間本当にありがとうございました。

 

<研修の様子>

循環器内科研修 救急車搭乗研修

 

 

 

 

平成26年度 研修医アンケート結果


 臨床研修協力施設として、平成26年度に九州大学病院から2人、九州医療センターから10人の研修医を受け入れました。

 

  

【1 当院での研修内容について】

満足:12人、不満足:0人

 

<理由>

・心カテなどの手技を中心に研修させていただきましたが、先生方が熱心に指導してくれました。とても勉強になりました。

・循環器内科で1か月間研修させていただきましたが、1日1日が濃密で1か月間と思えないほど勉強になりました。地域の急性期病院としての治療や対応、また当直に入れていただくことで幅広い分野での医療を経験できました。

・内科全般を広く経験することができました。

・やりたい手技等、先生の指導の下、安心して実施することができ、良かったです。

・心カテや心エコーなどができて、とても勉強になりました。当直も普段診ないcommon diseaseをたくさん診ることができてよかったです。

・地域の中核病院として急性期疾患や悪性腫瘍手術を、また地域に密着した医療として在宅医療などを幅広く学ばせていただきました。

・指導医の先生方がとても熱心に教えて下さり、手技もたくさん習うことができました。

・循環器を学び、当直では医療センターでは経験しないような症例に携わることができた。

・小児科ではcommon diseaseや健診を経験でき先生方にも基本からしっかり指導していただきました。

・救急当直や外来、病棟も診れて勉強になりました。

・手技の指導を始め、プライマリーケアなど自分の研修病院の内容を補完する上で非常に満足のいく内容であった。

・外科手技だけでなく、地域特有の外来診療や二次救急を経験することができました。

  

【2 研修体制(医師、看護部、コメディカル、事務等)について】

  満足: 12人、不満足: 0人

 

<理由>

・医師に限らずコメディカルの方々にも親切に教えていただきました。

・検査部や処置室でも研修させていただいたのですが、どこでも丁寧に教えて下さり勉強できました。

・困ることなく研修することが出来ました。症例のフィードバックがありがたかったです。

・話しやすく、相談しやすい環境で、とても研修しやすかったです。

・当直においても医師、看護師・コメディカルなどの仕事がきちんと分担されていてとても働きやすかったです。また、みなさんが優しくて、とても丁寧に教えていただきとても勉強になりました。

・みなさんがとても親切にして下さり、とても研修しやすい環境だったと思います。

・看護師さん達がみなさんとても親切で、気をきかせて動いて下さりとても働きやすいと思いました。

・親切に対応してくださいました。

・みなさんが顔見知りで協力して医療を提供されているところが勉強になりました。

・オーベンの先生を含め、他科の先生方も非常に教育熱心であった。また緊張をほぐすような声をかけていただきとても働きやすかった。

・熱心に指導していただき、コメディカルスタッフもフットワークが軽く、学ぶことが多くありました。

 

 

【3 医局、医師寮等の利用について】

  満足:12人、不満足:0人

 

 

<理由>

・特に不自由なく生活できました。

・施設はどこもきれいで、利用についても不便なく過ごすことができました。また医局では坂田さんはじめ皆様のお世話になり快適に研修に集中することがました。

・問題なく過ごすことができました。

・医師寮にテレビを設置していただき、ありがとうございました。机の設置も希望します。

・医局のおばちゃんたちがとても優しく検食も安くておいしくて栄養バランスのいいごはんが食べられてよかったです。寮は虫が多いこと以外は気になりませんでした。

・寮もきれいで、インターネット等も備えつけられており便利でした。パソコンの貸出(もしあれば)などがあれば良かったです。また寮の布団やマットレスカバーなどがないのは不便でした。

・机を用意していただけるのと、インターネットも使える環境で十分だと思います。

・不自由なく過ごせました。

・何も不便なく生活できました。

・部屋の広さも十分であり、インターネット設備があること、また、防音がしっかりされていること。

PC、インターネットもありよかったです。

 

 

【4 当院での研修についての意見】

・救急車同乗実習については1年目で経験していますので、なくてもよかったのかなと思います。1か月という短い研修ですので2日とられるのはちょっと痛かったです。

・地域医療研修なので、往診なども経験できればさらに良かったと思いました。

・消化器内科を1か月まわらせていただきました。1か月研修している間、他の科も研修してみたいと思うようになりました。1つの診療科だけでなく内科であればいくつか並行して研修できたらいいなと思いました。

・医療センターではできないことがたくさんできてとても勉強になりました。ありがとうございました。

・良い環境、指導医の方々がいらっしゃると思います。

・1か月間と短い間ですが、地域医療の特徴を見ることができる有意義な研修だと思います。

・田川の方々はとても気さくな方も多く、患者さんとのコミュニケーションが楽しかったです。

・不満であった点を挙げるとすれば、3月という年度末の時期であり、書類業務を含め更新手続きなどで頻発に病院を離れることがあったこと。また、そのことで実習に集中するのが難しかったこと。

 

【5 研修の感想、これからの研修医に対してのメッセージ】

・とても充実した研修を行うことができました。普段属している病院では経験しないような手段、症例を経験させていただきました。これからおいでになる研修医の先生方にも田川市立病院の地域における役割を意識した充実した研修期間を過ごしていただきたいと思います。

・1か月という短い期間ではありましたが、とても内容の濃い研修を行うことができました。

循環器内科では週に20件以上のカテーテル検査・治療があり、初めの頃はついていくこともままならず体力的にも限界で、年間500例のPCIを行うことの大切さを実感する日々でした。しかし、先生方の熱心で優しい御指導の下、本当に楽しい研修となりました。また、AMIで搬送された患者さんが歩いて帰っていく姿を見られたり、家族の喜ぶ様子を目の当たりにすることで私も喜びを感じることができました。最後になりましたが、桑田先生、兼田先生、平井先生、今田先生、1か月間お世話になり、本当にありがとうござました。ここでの経験を糧にこれからも精進していきたいと思います。

・1か月間大変お世話になりました。

消化器内科での研修ではありましたが、先生方が丁寧に教えて下さり、消化器疾患以外にもたくさん学ばせていただきました。先生、看護師さん、患者さん、皆さんがアットホームな雰囲気で、私も楽しく研修させていただきました。ありがとうございました。

・地域医療研修として1か月間、学ばせていただきました。消化器内科を主に研修しましたが、他に訪問診療の見学や救急車実習をさせていただき、地域医療にふれることができました。

1か月の研修で私が抱いた感想は訪問診療、内科外来ともに1つの科にとどまらず、総合的な広い知識と診療経験そして患者と患者家族との信頼関係が必要とされるものだということでした。大きな病院と比べ、病院その場でできる検査に関しては限られたものであり、その限られた範囲内で診療を進めていくには、知識、経験が大事であることを改めて実感できた研修でした。今後また大きな病院での業務に携わることになりますが、急性期病院から慢性期病院、今後自宅フォローへ繋がる医療を意識しながら、診療にあたりたいと思います。大変お忙しい中、研修の機会を与えてくださった先生方及びコメディカルの皆さんに深く感謝いたします。

・研修医がほとんどいない病院なので指導医の先生方がとても丁寧に指導してくださいます。普段できないことがたくさんできるので、とても楽しく研修ができると思います。

・1か月間、田川市立病院の外科で研修させていただきました。研修では悪性腫瘍や虫垂炎・胆石・イレウスといった良性疾患の手術を学び、また胸腔ドレナージや腹膜ドレナージといった様々な手技も御指導していただきました。その他にも抗癌剤による化学療法などについても学び、幅広い研修ができたと思います。手術がない日などは、エコー検査見学や心カテーテル検査の見学など多岐にわたって勉強させていただき、外科以外の先生方にも大変親切に御指導をしていただきました。

その他、救急車同乗研修や在宅医療への同行など地域医療の実際を肌で感じることができました。当直業務にも参加し、時には重症疾患まで診ることができて大変勉強になりました。

これから田川市立病院で研修される方も、きっと良い研修ができると思います。1か月間という短い間でしたが、ありがとうございました。

・1か月お世話になりどうもありがとうございました。市内に総合病院が少ない地域だからこそ、他の病院、クリニックとの連携がさらに大切であると感じました。

・選択科での病棟業務(+α)、週1回の当直、2日間の救急車同乗実習を通じ、1か月と短い地域医療の枠ですが、common diseaseを色々診れました。病院の雰囲気が良く指導も行き届いており、充実した研修となりました。

・1か月間腎臓内科をまわらせていただきました。この1か月間で透析の基本的な事項やシャント造設、腎生検、PTAなど様々な経験をさせていただき、とても密度の濃い研修ができました。また、外来の見学や病棟の担当などを通して患者さんとも深く関わることができ、先生方も御指導して下さったので、とても勉強になりました。田川で研修できとてもよかったです。先生方をはじめ看護師さんやコメディカルのみなさんにあたたかく支えていただきとても感謝しております。

・今まで大学病院と研修病院しか知らなかった私にとって、田川市立病院は、地域医療を体験する初めての場でした。

研修医に成り立ての頃を思い出しながらも、医師を始め、周囲の方々に暖く歓迎され、溶け込むのも早かったように思います。前の病院では〝研修医″としてしかみなされなかった自分が、ここでは1人の医師の仲間として迎えられ、戸惑いながらも嬉しく思いました。自分の力が必要とされていると思うと、不思議ともっと多くのことを学び経験したいという気持ちになり、気付けば1か月の実習期間はあっという間でした。この実習を通して、医療に関わる人々の役割、地域医療の構造が少しだけクリアになったように思います。

・1か月弱の短い間でしたがありがとうございました。熱心な先生方のご指導の下で、これまでの研修では経験できなかった多くの知識、手技を学ぶことができました。また、コメディカルの皆さんにも優しくしていただいて、仕事に対する熱心な様子は日常の病棟・外来だけでなく、救急の場においてもよく感じることができ、感銘を受けその行動からも多くのことを学ぶことができました。患者さんの訴えや診療内容も、地域特有なものもあり、外来や2次救急では今後の日常業務に生かすことができるだろうと考えています。様々なことを経験し、身につけることができた濃密な1か月でした。4月からも、この1か月で学んだことを無駄にせず、より専門的に臨床医として精進して行きたいと思っております。医局、総務課の方々にもお世話になり、ありがとうございました。

 

  • <研修の様子>
  •  研修の様子 研修の様子
     研修の様子 研修の様子




 

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