放射線画像センター

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センター長 野崎 善美


 

部門紹介

 放射線画像センターは、各診療科が求める高品質な医療画像を提供することを業務としています。
 現在、一般撮影、マンモグラフィ、X線透視、血管造影、CT、MRI、RI等の放射線診療業務を診療放射線技師9人と受付事務1人(午前中のみ)で行っています。
 平成24年にはCR(コンピューテッドラジオグラフィー)、RIS(放射線部門情報システム)の更新およびPACS(放射線部門医用画像システム)の導入によりフィルム現像処理を省略でき、各診療科への画像提供の迅速化が図られました。
 平成25年に更新された血管造影システムは心臓カテーテル検査や腹部血管造影及び治療に大きく貢献しています。
 また、平成28年3月には骨密度測定装置を新規導入し、平成29年3月末にはRIガンマカメラを更新することで、より精度の高い検査が行えるようにな
りました。

  さらに、令和5年度はCT装置、MRI装置を更新し、より鮮明な画像で高速な画像が撮影可能となりました。また日本医学放射線学会画像診断管理認証制度によって、画像診断管理認証施設として認定されました。放射線画像センターは患者さんが安心して画像検査を受けていただけるように、感染対策を徹底するとともに、最新技術を積極的に導入し、高品質な医療画像の提供を心がけていきます。

 


 

業務紹介

 始業前には各検査室の機器点検を撮影技師が行い、装置の不具合の有無を早期に把握することで故障によるダウンタイムを短縮させています。また、機器の定期的な清掃等の院内感染に対する標準予防策に加え、新型コロナウィルス感染症対策を徹底して行っています。
 検査にあたっては、診療に必要な高画質を維持しつつ、被ばく低減に努めるよう、撮影条件の規格化を実践しています。検査中は患者さんに身体的負担を強いることが多いため、積極的にマットや撮影補助具を使用することにより、負担低減に取り組んでいます。
 また、各技師がすべての放射線診療業務を実践できるよう、周期的に各部門を担当する業務配置を組むことにより、総合的な技術を習得したオールラウンド型の技師育成を目指しています。それとともに、各技師が少なくとも1機器の管理責任者を担当することで、機器管理能力の向上と業務に対する責任感を促すことも、併せて実践しています。その他、医療事故防止を実践するために、部門内で定期的に研修を実施しています。
 当院の技師は、高品質な医療画像の提供を実践するために、部門内勉強会を実施するとともに、病院外で開催される各種勉強会にも参加しており、認定資格の取得についても、積極的に取り組んでいます。

 

 臨床実習の受け入れ

 令和3年度から画像センターでは、学生臨床実習の受け入れを開始しました。実習内容は、画像検査技術学(一般撮影・マンモグラフィ・透視・CT・MRI等)と核医学検査技術学です。臨床実習指導者講習(P-MET開催)を終了した技師が実習指導を行います。令和4年度は学生3人、令和5年度には2人を受け入れました。

 

主な撮影装置

 

 一般撮影装置(CR・FPD)     2室

 X線TV透視撮影装置      2台
 乳房X線撮影装置           1台 CT装置             1台
 歯科用パノラマ・断層撮影装置    1台 MRI装置           1台
 X線断層撮影装置           1台 RI装置            1台
 ポータブル撮影装置         6台 血管造影装置           1台
 X線骨密度測定装置          1台 

 

 

認定資格取得者一覧

 

 X線CT認定技師               2人 画像等手術支援認定診療放射線技師    2人
 Ai認定診療放射線技師            1人 医療画像情報精度管理士         1人
 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師  1人 シニア診療放射線技師          1人

 

 

検査実績

 

 

R元年度 

R2年度 

 R3年度 

  R4年度

 R5年度

 X線診断

31,183 

27,651 

28,673

 29,091

 27,552

 一般造影

814  

712

 668 

  608

 538

 CT

4,553

 4,320

 4,187

 4,068

 3,944

 MRI

1,559 

1,324

1,364 

 1,271

 1,162

 RI

219

175 

190

 221

 188

 腹部カテ等

13

12

  7 

  2

 3

 心臓検査

265  

173 

 179 

 241

 420

 骨密度検査

658

542

661 

675

 739

 総件数

39,264 

34,909  

35,929 

36,177

 34,546

 

 

医療機器(画像検査)

 

 田川市立病院では、近隣のクリニックから画像検査依頼を受付けています。取り扱っている画像検査項目は、CT・MRI・RI・骨密度です。 受付のご案内は医療支援センター部門が行い、実際の検査は、放射線画像センターで行っています。
 検査依頼の概要は、当院ホームページ内の医療支援センター紹介欄に案内されています。

 

 画像検査を希望される場合は、近隣のかかりつけ医にご相談ください。検査日時の予約等については、かかりつけ医が当院に連絡を取り、医療支援センター部門と調整を行います。


医療支援センターへ

他院依頼の検査実績

 

R2年度 

 R3年度

 R4年度R5年度 

 CT

 190

 161

128158 

 MRI

 248

 256

242 213

 RI

 70

 69

91 56

 骨密度

 10

 14

5

 総件数

 518

 500

463  432 

 

 


 

 

 

装置紹介

 ■RIデジタルカメラ   ■血管造影システム    ■骨密度測定    ■マルチスライスCT    ■MRI 

 

 

 

■RIガンマカメラ

 

RI
<特徴>
・高感度フルデジタル検出器搭載。
・低床式ベッドのため高齢患者さんの乗り降りも安全に、負担少なく行えます。
  
<核医学検査の特徴>
 核医学検査(RI検査)は、微量の放射線を放出する薬剤を体内に注射して、身体の外から測定装置で調べる侵襲の少ない検査法です。また、被ばくを気にされている方もいらっしゃるかと思いますが、半減期の短い放射性核種を用いているので、1回の検査被ばくはX線撮影、CT検査等と同程度かそれ以下のものであり、十分に低被ばくなものであるといえます。
 本検査の特徴は、人体臓器の形態画像のみではなく、組織代謝や血流の分布等の機能情報が得られることです。これによりCT等の形態画像で指摘された病変(腫瘍、炎症など)の質的診断や活動性について評価することができます。
 当院では、脳、唾液腺、循環器、腫瘍・炎症、骨・関節、内分泌、消化器、泌尿生殖器など、ほぼすべての検査項目を行っております。
 

<主な検査内容の紹介>
・骨シンチ
 骨の代謝状態を調べます。炎症や骨転移など骨代謝の異常を生じる病態の診断に用いられます。

 骨シンチ

■腎動態シンチ(レノグラフィ)
 糸球体腎炎、尿路通過障害(水腎症を含む)、およびネフローゼ症候群などの検査に用いられます。乳幼児の腎不全症例などにも用いられます。腎臓に流れ込む腎動脈の血流の様子、糸球体濾過値などを左右別々の腎臓で知ることができます。

 

 腎動態シンチ

■脳血流シンチ
 薬剤が血液脳関門を通り、脳組織に取り込まれます。その量を計測することにより、脳血流分布画像が得られます。形態異常よりも機能異常が早期に検出できるため、早期診断につながります。認知症の診断などにおいて病変部の広がりの把握や疾患の鑑別に有用です。


脳血流シンチ

■心筋血流シンチ
 虚血性心疾患の診断および予後の推定や、心筋生存性(Viability)の判定の診断が行えます。負荷検査を行うことにより、労作時の虚血状況の把握まで可能となります。


心筋血流シンチ

 

 

■血管造影システム

  

血管造影システム

 本装置は、カテーテルと呼ばれる、細い管を手首・腕もしくは足の付け根の血管から挿入し、造影剤と呼ばれる薬剤を注入しX線を使って血液の流れを詳細に検査するためのC型のアームを有する装置です。脳・心臓・肝臓・腎臓・手・足を含む全身血管の主に狭窄や腫瘍などを検査、治療します。
 当院において、心臓では先進のカテーテル治療に取り組んでおり、安心して検査・カテーテル治療を受けて頂けます(図1、図2)。また、腹部では主に肝臓の動脈塞栓術(TAE)や消化管出血に対して止血を行っています(図4、図5)。
 
 本装置を導入することにより、
 ① X線検出器が従来のアナログタイプ(I.I.)からデジタルタイプ(FPD)になったため、検出能力が高くより少ないX線で検査、治療が行えます。→低被ばくで安全です。
 ② 最新のステント強調ソフトSCORE StentView(図3)を搭載することで、細く見えにくいステントをくっきりと描出し、治療計画時に予定していた場所により正確にステントを留置することが可能です。
 ③ 下肢検査用の撮影ソフトウェアSCORE RSMは、動きに強い血管撮影ソフトウェアで、撮影時に患者さんが動かれても、高精細な画像が得られます。
  
 当院では最新技術の導入により、安心して精度の高い検査および質の高い治療を受けていただけます。

図1 右冠動脈 図2 左冠動脈 図 3 StentView

  図1 右冠動脈        図2 左冠動脈          図3 StentView

 

 血管造影システム
 図4 肝動脈塞栓術(TAE)    図5 消化管出血(止血)

 

■骨密度計測

 ■X線骨密度測定装置 
 
骨密度測定
 骨の健康を知る上で、重要な手がかりとなるのが骨密度測定です。骨密度測定とは、X線を使用して骨中のミネラル成分(カルシウム・マグネシウム等)の量を計測することです。ミネラル成分が減少(骨の中がスカスカな状態)すると骨がもろくなり骨折しやすくなります。
 骨密度測定検査をすることによって、骨粗鬆症の診断・経過観察、骨折リスクの評価が可能となり、現在の骨の健康状態を知ることができるのです。

 当院では、DXA法にて腰椎と股関節の骨密度を測定しています。DXA法は、被ばく量が極めて少なく、また短い検査時間(約10~15分)で高精度な測定が出来るのが特徴で、骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインで推奨されている検査法です。(骨密度測定結果 図1・図2参照)

 報告書には過去の値も表示されるため、経時的変化の検討に適しています。

   閉経後の女性や運動不足の人、常習喫煙者、過度のアルコール摂取者、内分泌系の病気・糖尿病・関節リウマチの病気・ステロイド薬治療を受けている人、転倒など軽い衝撃で骨折を起こしたことがある人などは、一度検査することをお勧めします。

 

骨密度測定結果 骨密度測定結果
            図1                               図2

 

 

■80列マルチスライスCT

     

CT
 CTとは、Computed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略語です。
 放射線(X線)を使用し、検出器が高速回転をしながらデータ収集を行い、コンピュータ処理をして身体の断層画像を作成します。検査時には、医師の判断に基づき、病変を詳しく診るために腕の静脈からヨード造影剤という薬を注射して撮影することがあります。
 当院のCTは、令和6年2月に更新を行いました。最新の被ばく低減技術により大幅な線量の低減が可能になっています。0.5mm×80列のマルチスライス検出器が搭載されています。広範囲の高精細画像を短い検査時間(短い息止め時間)で得ることが可能です。
 さらに、撮影部位に応じた撮影条件を適切に設定し、撮影範囲については放射線科医師の指示のもと画像診断に問題がない最小範囲にとどめており、無用な医療被ばくの抑制に努めています。
 この80列マルチスライスCTの利点を活用して、3D画像をはじめ、診断や手術前計画に必要な様々な種類の画像を提供しています。

 
CT

 

■MRI 

  

MRI

 MRIはCTと外見が似ており、トンネル状の装置です。どちらも断層画像を撮影する装置ですが、最も大きな違いは画像を得る手段です。CTではX線を使って画像を得るのに対し、MRIは大きな磁石と電波を使って画像を得ます。そのため、MRIは放射線による被ばくが無く、小児や健常な方も安心して検査を受けることができます。
 さらに薬(造影剤)を使わずに主な血管の画像(MRA)を得ることが得意な装置となっています。
当院のMRIは、令和6年3月に更新を行いました。最新のディープランニングを用いたノイズ除去再構成技術を搭載し、高画質となり、検査時間も従来より大幅に短くなりました。
 また、他には認知症の評価に用いられるブイエスラド(脳萎縮評価支援システム)を導入しております。
※手術やケガ等により体内に金属を埋め込まれている方は、検査を受けられない場合があります。
 

 MRI
  ▲頭部            ▲頭部MRA            ▲腰椎           ▲腹部(造影剤使用)

 


 



 

 

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