平成30年度 総合医学会 第1回例会 医療マーケティング(7月11日)を開催しました

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平成30年度 

総合医学会 第1回例会

  

 平成30年度は「医療マーケティング~田川地域で必要な医療を目指して~」をテーマに、全職員で取り組んでいきます。第1回例会では、九州大学大学院医学研究院の馬場園明先生に講演していただきました。

 

馬場園先生

 

日時:平成30年7月11日(水)17:15~18:50


演題:「医療マーケティング

      ~田川地域で必要な医療を目指して~」


講師:九州大学大学院医学研究院 

     医療経営・管理学講座 教授 馬場園 明先生

 

  

■主な講演内容

 ・マーケティング
 ・地域包括ケアシステム
 ・戦略的マーケティング
 ・市場分析(外部環境分析・内部環境分析・統合分析)
 ・マーケティング・リサーチ
 ・地域包括ケア時代における課題
 ・地域包括ケアシステムの構築

 


■講演の一部を抜粋してご紹介します。

 

【マーケティングとは】

 「マーケティングとは、価値と製品を創造して、提供し、他者と交換することを通じて、個人やグループがニーズ(必要)とし、ウォンツ(欲求)するものを満たす社会的、経済的プロセスである」とマーケティングの分野で最も知られている研究者であるKotlerが定義している。

 マーケティングは、市場を創造し、顧客を作り、顧客を継続して維持していくための手法の総体ともいえる。

 

【地域包括ケアシステムとは】
 要介護者が介護施設に入所して集団的ケアを受けるのではなく、本人の住まいに外部から医療や介護サービスを定期的に提供する仕組みのことである。
 地域包括ケアの重点課題として、

  ①医療との連携強化

  ②介護サービスの充実強化

  ③予防の推進

  ④生活支援サービスの確保や権利擁護

  ⑤高齢期になっても住み続けられる高齢者住宅の整備

 

【マーケティング・リサーチとは】
 マーケティング・リサーチは、組織が直面している特定のマーケティング状況に関するデータと結果を系統的に組み立て、収集し、分析し、報告することと定義されている。すなわち、マーケティングに関する「仮説」を「検証」し、意思決定に役立てるために、マーケティング・リサーチが存在する。

 

【地域包括ケア時代における課題】
 田川市立病院が地域包括ケア時代のマーケティングをやっていくためには、次の4点が大きな課題になると思われる。
 まずは、医療レベルと地域の対象を明確にすることである。

   ※医療のレベル:高度急性期、急性期、回復期、慢性期、外来、在宅医療、訪問看護、終末期

   ※地域:日常生活圏、一次医療圏、二次医療圏、三次医療圏、広域のこと。

      これは、急性期一般病棟、地域包括ケア病棟、外来、在宅・訪問看護で異なる。


 つまり、どのような医療をどの地域を対象として行うかを明確にすることが重要である。

 

【地域包括ケアシステムの構築】
 後期高齢者の割合が増加し、社会保障費が急増していくことは避けられず、医療の効果的、効率的なシステムが求められている。そのポイントは、疾病構造の変化と市民のニーズにマッチした医療を行うことである。急性期入院のニーズの減少は避けられず、外来や在宅へのシフト、慢性期ニーズに対応するとともに、「本人の意思の尊重」、「本人の残存機能を活用した自立支援」、「生活とケアの連続性の維持」といった理念を尊重した医療を構築していくことがヒントとなるだろう。

 

 

 今回の講演を聞いて、出席者からは「田川で取り組むべき方向性や方法などが示され参考になる」、「マーケティングについて具体的にどのようなことが必要か知ることができた」、「マーケティングの重要性、医療と介護の連携、その方法等の話が聞けたので非常に有意義だった」という意見がありました。

 今年度は、総合医学会で全職員が医療マーケティングについて学び、取り組んでいきます。取り組みについては随時概要を掲載する予定です。

 

 

第1回例会の様子

 

 

第1回例会の様子

 


 

 

 

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