▲邉見 公雄 会長 ▲齋藤 貴生 管理者 |
恒例の市民公開講座は、平成22年度に開始されて以来8年目を迎え、「大きく変わる地域医療」をメイン・テーマとして、平成29年10月24日に開催されました。今回は、市立病院が「病院再生」を成就したことを記念し、全国自治体病院協議会会長の邉見公雄先生を特別講演の演者にお迎えしました。
邉見会長は、「生命(いのち)輝かそう田川市民」と題して、これから大きく変わろうとする地域医療を念頭におき、自治体病院が進むべき方向性を示されるとともに、自院での取組について熱く語り、聴衆に大きな感動を与えられました。冒頭に、私の考えとして、人口減少に直面する我が国、とくに地方の将来に触れ、地域存続の必要条件は医療と教育、一次産業であると述べられ、また、医師不足については、院長・幹部職員の仕事は、一に医師集め、二に医師集め、三四がなくて、五に医師集めと喝破されました。
社会保障と税の一体改革、第6次医療法改正に始まる一連の医療提供体制の改革が開始されるなか、特に地域医療構想および公立病院改革プランにおける公立病院の主体的な取組の必要性を強調されました。病院の再編統合の事例も紹介されました。次いで、自治体病院の今後のあり方として、赤穂市民病院における取組みと成果を紹介されながら、チーム医療の大切さを「いろはカルタ」形式で示して説明されました。また、今後重要となる住民中心の病院づくりについては、新しい観点からのボランティア、病院学会・病院祭などを紹介されました。
田川市立病院からは、「皆で築こう田川の医療」と題して、私から報告を行いました。まず、「病院再生」については、平成22年度から28年度までの7年間の取組と成果をご報告し、再生成就について謝意を表させていただきました。次いで、田川地域における医療の向上、特に医療の完結化に向けた「田川地域医療機関ネットワーク化協議会」の活動を述べ、最後に、「まちづくりに合わせた医療の拠点づくり」について紹介しました。これは、市立病院が田川地域のまちづくりに協力し、まちづくりに合わせた医療の拠点づくりを目指そうとする新たな試みです。