平成28年度総合医学会は、メインテーマ『良質かつ効率的な医療の提供を目指して』に基づき全職員が部門横断的に取り組んできました。例会を3回行い、1年間の総括として平成29年3月11日(土)に総会を開催しました。
総会では診療部門から9人、医療技術部門等から10人の合計19人が例会で行った研究内容を発展させて発表を行いました。
平成28年度 総合医学会 総会 メインテーマ『良質かつ効率的な医療の提供を目指して』 開会あいさつ 総合医学会準備委員会委員長 【診療部門(内科系)】 「大腸ポリープ内視鏡治療~クリニカルパスの改訂へ~」 消化器内科 「外来血液透析患者のCKD-MBD管理目標達成率」 腎臓内科 「当院における急性心筋梗塞の治療成績・予後について」 循環器内科 「小児科入院症例の主要疾患別診療実績」 小児科 【診療部門(外科系)】 「大腸癌に対する当科診療の現状」 外科 「大腿骨近位部骨折における手術待機期間と合併症の発生率」 整形外科 「当科における膀胱癌の診療実績」 泌尿器科 「子宮内掻爬術における傍頸管ブロックの有効性の検討」 産婦人科 「当院における周術期口腔機能管理について」 歯科口腔外科 【医療技術部門等】 「当院における褥瘡予防・管理対策」 看護部門 「婦人科外来における入院前術前中止薬確認支援プロトコール作成と実施」 薬剤科 「マニュアル作成による画像診断業務の安全性向上についての検討」 放射線技術科 「パニック値の再検討と病理検査の報告の改善」 臨床検査技術科 「疾患別リハビリテーション実施マニュアルの作成」 リハビリテーション技術科 「医療機器の中央管理に向けて」 臨床工学技術科 「適切な食事提供について」 栄養管理科 「適切な診療記録管理への取り組み」 診療情報管理室 「退院支援への適切な対応~業務マニュアル・業務フローの作成~」 医療連携室 「クレーム初動対応の改善について」 事務部門 総評 病院事業管理者 閉会あいさつ 病院長 |
発表内容を一部ご紹介します。
消化器内科では、大腸ポリープ内視鏡治療の2泊3日のクリニカルパスを1泊2日に変更した後のメリット(入院期間の短縮、1泊分の入院費が安くなる、病室確保)、デメリット(朝入院による病棟看護師の負担増、下剤内服開始時間が遅くなることで治療開始時間も遅くなる、安全性(出血リスク)の懸念)を検討しました。病棟看護師、内視鏡スタッフの負担が増えることが予想されますが、患者さん、医師、看護師、内視鏡スタッフの連携により1泊2日入院は実現可能と思われるとのことでした。
循環器内科では、急性心筋梗塞の治療成績の現状を把握した上で、発症後の24時間以内の再開通までの時間、治療時間、院内死亡率、フォローアップ時の再狭窄の有無について65歳未満と65歳以上で場合分けを行い他院と比較しました。結果、当院の治療成績は他院と比較しても遜色ないとの結果が出ました。
医療技術部門等では、それぞれの部門での現状を把握して、問題点を指摘した上で解決に向けた方針を示す発表が多くありました。
看護部門では、褥瘡予防対策について、過去2年間の褥瘡発生の現状を明らかにして、その動向を振り返り、今後の課題を検討しました。具体的には、看護組織の状況、患者の状況を明らかにして看護実践の質を検討しました。このことで構造(看護組織の状況、患者の状況について)・過程(看護実践の質について)・結果(看護実践の結果の質について)の視点で評価を行ったことで、今後検討が必要な項目が明らかとなりました。
医療連携室では、今まで体系的に整備されていなかった社会福祉士業務の見直しを行い、病院の現状、状況に適合した業務マニュアル・業務フローを作成し、運用することで社会福祉士業務の充実を目指しました。今後は、退院支援に関する書類の整理、取り決めや回診に参加するなど、多職種協働の退院支援を推進していくとのことでした。