講演内容を一部ご紹介します。
「身体症状コントロール」について
末期がん患者には、痛み、全身倦怠感、食欲不振、呼吸困難、悪心・嘔吐、便秘、腸閉塞などの身体症状がある。その身体症状に対応する際、医療従事者は、最新の知識技術を持ってケアにあたることが患者の治療の可能性を広げるために重要である。また、医療者が、がんの痛み治療を行う場合、痛みの原因をきちんと評価し、医療用麻薬に偏見を持たないこと、「WHO方式がん疼痛治療指針」にのっとること、鎮痛補助薬をうまく使うこと、放射線治療や神経ブロックの適応を知ることなどが大切である。
「患者と家族へのケア」について
緩和ケアの対象は、患者及び患者と共に闘っている家族だということを踏まえ、緩和ケアは、患者へのケアを行うとともに、家族の気持ちを知ること、適切な症状説明を行うこと、家族の疲労への配慮、看取り後の家族のケアを行うことが重要である。
「緩和ケア~皆の成長のために~」について
末期がん患者も家族と共に最後の日まで人として成長する可能性を持っており、患者・家族の成長のために行うことが緩和ケアであり、ひいては、その成長を援助していくことでスタッフ自身の成長になり、それが病院全体の成長、さらには地域全体の成長に繋がる。
当院では、河村副院長を中心に緩和ケアチームが活動しており、更に緩和ケアを充実させるため積極的に講演会を開催し、職員の緩和ケアに対する理解を深めています。今回の講演会で、患者・家族との向き合い方や痛みの治療を行う際に大切なことなどを学ぶことができました。