田川市立病院(以下「市立病院」という。)は、田川地域の基幹的な公立病院として、住民が必要とする良質な医療を確保するとともに、安定的かつ継続的に提供する役割を担っています。
市立病院は、大学派遣の医師の引き揚げにより、平成20年~21年に経営破綻に陥ったことから、平成22年4月に地方公営企業法の全部適用に移行し、全部適用のメリットを活かした医療と経営の改革を進めてきました。「第1期中期事業計画(平成22年度~25年度)」では、病院の再生に主体を置き、医師確保の推進や急性期医療への転換など、根幹的な基盤を整備し直すとともに地域に必要な医療の提供に取り組んできました。また、「第2期中期事業計画(平成26年度~29年度)」では、 更なる基盤の整備を図るとともに医療の質の向上、医療制度改革への対応などに取り組み、平成26年度からは経常収支の黒字経営を続けています。一方で、平成28年頃から入院患者の減少を受け、平成30年12月に「特別事業計画」を急きょ策定し、患者減少の抑制に取り組んできました。
第3期となる本計画においては、10年後に目指すべき市立病院の病院像を具体的に描き、地域から選ばれる病院に向けて、現在の総合病院から特徴ある病院への運営強化を図るとともに、地域住民が求める医療提供体制の確保に努めます。また、健全で自立した経営基盤の構築や国が進める医療制度改革に的確に対応できる市立病院として、新たな第一歩を踏み出します。