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病院事業管理者あいさつ

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平成28年8月

齋藤貴生病院事業管理者

   さらなる医療の充実、そして

   田川地域の医療環境の改善へ

田川市病院事業管理者 齋藤 貴生

 

田川市立病院は、平成20~21年度に不良債務を出し経営危機に陥りましたが、22年度に経営形態を全部適用に替え、新設された病院事業管理者のもとで、第1期中期事業計画に基づいて病院再生に向けた一連の改革が実施されてきました。幸い翌23年度には不良債務を解消し、5年目の26年度には18年ぶりの経常収支の黒字化を達成、27年度も黒字の見込みとなっており、ここに市立病院は待望の再生を成就することができたと判断されます。これからは、再生を果たした地域中核病院として日本のモデルになれるよう、さらなる医療および経営の充実を図り、本格的な発展の道筋をつけていかねばなりません。第2期中期事業計画は、そのような理念のもとに平成26年度に策定されました。現在、院内においてはさらなる医療の充実と医療の質向上、院外では田川地域の厳しい医療環境の改善に向けた取り組みを行っています。

医療の充実としては、田川地域で死亡率の高いがん、心疾患、脳血管疾患などに対する高度・専門医療、全国的に地方で不足している救急医療、周産期・小児医療を、必要な医療スタッフの確保・養成を一層図ること等により、十分に提供できるようにしていくことを目指しています。また、医療の質向上としては、診療の質、患者サービスの質、経営の質の3要素を同時に改善していく取り組みを行っていますが、中でも診療のプロセス(過程)の標準化に力を入れています。

これらと並行して、市立病院は、田川地域の医療環境の改善を目指し、田川地域全体に広げた活動を本格化させつつあります。福岡県は132次保健医療圏から構成されていますが、田川医療圏は、全死亡率および4大死因疾患のうち3疾患の死亡率が県内で最も高く、また、他医療圏への患者流出率も入院で33.3%と極めて高いなど、県内で最も医療環境に恵まれない医療圏の一つです。つい最近には、我が国全体で見ても、がんの死亡率が、全国344医療圏のなかで田川医療圏は、男性第6位、女性第3位を占めるとの研究結果も報告されています。そのような背景を受け、田川地域における医療の完結化、さらには4大死因疾患の死亡率の改善に向けた取り組みを、第1期から行ってきました。まずは、田川地域における医療の完結化を図ることを目的として、平成25年に田川地域の6公的医療機関と田川医師会から構成される「田川地域医療機関ネットワーク化協議会」が結成されました。ここで、田川地域内における医療機関の連携強化が実行され、一体感が醸成されるなど一定の成果がみられています。さらに、「田川地域医療機関のICT化による診療情報の共有化」への取り組みも、本年度において総務省の「定住自立圏構想」の発足にまでこぎつけることができました。他方、4大死因疾患の死亡率改善に関しては、行政上の充実がまず必要ですが、まずは医療機関として可能な範囲で、医療だけでなく予防や啓蒙にも活動を広げようとしています。

国は2025年に向けて医療提供体制改革を開始し、田川地域でも「地域医療構想」や「地域包括ケアシステムの構築」が進められています。当院としては、急性期の地域中核公立病院としての立場から、他の医療機関や行政機関等と協力して、田川医療圏における地域包括ケアシステムの構築に努力していく方針です。その一つとして、当院、即ち急性期病院で治療を受けた患者さんが円滑に在宅へ移行できるようにすることなどを目的として、地域包括ケア病棟の新設を平成26年に計画し、284月に開設しました。まだ、始まったばかりですが、幸い急性期医療を受けた患者さんの在宅復帰率の向上につながっているようです。また、田川地域では、24時間体制の訪問診療を含む在宅医療が十分に実施されていないことから、田川地域で不足している領域を主体に在宅医療を提供していく方針にしています。

 

 

 

 

 

 

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略歴

                            齋藤 貴生

現職 田川市病院事業管理者、田川市参与

   全国病院事業管理者協議会副会長

   病院経営の質向上研究会会長

本籍  

福岡県福岡市中央区大名

学歴

昭和39年  3月  九州大学医学部医学科卒業

    42年 4月  国立がんセンター研究所生化学部国内留学

    45年  3月  九州大学大学院医学研究科修了

    48年  5月  九州大学医学博士授与

職歴

昭和45年  4月  九州大学付属病院医員(第二外科)

    47年  2月  九州大学医学部外科学第二講座文部教官助手

    51年12月  米国フレッド・ハッチンソン癌研究所腫瘍免疫部門留学

    54年  4月  大分医科大学第一外科助教授                     

 

平成 5年  4月  国立病院九州がんセンター消化器部外科医長

   7年  7月  国立病院九州がんセンター臨床研究部部長

  10年 4月  佐賀県立病院好生館館長(院長)

  10年 4月  佐賀医科大学参与、臨床教授

  12年 5月  全国自治体病院協議会常務理事    

  16年 4月  福岡県対がん協会会長

  18年 4月  大分県病院事業管理者(特別職)

  20年 8月  全国病院事業管理者協議会副会長

  22年 4月  福岡県田川市病院事業管理者(特別職)

  22年 6月  九州大学大学院医療経営・管理学講座特別教員

  22年 7月  田川市参与、現在に至る

専門  

消化器外科、特に食道がん外科、病院経営・管理

研究  

腫瘍学(発がん、免疫)、医療経営学

主な学会活動         

日本癌学会名誉会員、日本食道学会特別会員、医療マネジメント学会評議員

  

 

 

 

 

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